第3章 東アジア各国の戦力 中国
2000年代 6
中国人民解放軍海軍の航空部隊
は
戦闘機、
攻撃機
が
主力
であり、
日本のように対潜哨戒機を重視している国とは傾向が違う。
空母保有
は
人民解放軍創設以来の悲願
だったが、
その真意は隠し通してきた。
1980年
に
艦隊世界一周
を
成功させたことによって
空母保有の実現へ走り出した。
2008年12月23日、
中国・国防省の黄雪平報道官
は
「空母は国家の総合力の表れだ。中国政府は各方面の要素を総合し、関係する問題を研究、考慮する。」
と述べ、
遂に正式に空母保有を宣言した。
空母保有の理由
として
「中国領海の主権と権益を守ることは軍の神聖な職域だ。」
と
強調した。
新鋭、主力の装備
は
西側陣営のマクドネル・ダグラス F-15A/B/C/Dイーグル戦闘機
に
対抗するために
旧ソ連
が
開発した
スホーイ Su-27戦闘機
初飛行1981年
自重17700kg
推力122,6kN×2
で、
ハイパワーエンジン、
高い運動性能
で、
レーダー
も
大型・高出力で高性能なものを搭載している。
スホーイ Su-27戦闘機
の
発展型
スホーイ Su-30MKK戦闘爆撃機(初飛行1985年、運用開始1992年)、
スホーイ Su-30MKK戦闘爆撃機
の
中国型
スホーイ Su-30MK2戦闘爆撃機
の
導入も始まった。
2000年代、
あわせて100機ほど調達している。
また中国
が
ロシアに無断
で
スホーイ Su-27戦闘機
を
コピー生産した
殲撃11BH J-11BH戦闘機、
スホーイSu-30MK2戦闘爆撃機
を
コピー生産した
殲撃16 J-16戦闘機
も
配備され始めた。
空母「遼寧」
に
搭載する戦闘機
として、
スホーイ Su-27戦闘機
の
艦載機型
スホーイ Su-33戦闘機
を
ウクライナ
から導入、
スホーイ Su-33戦闘機
を
模倣した
中国国産版Su-33戦闘機
である
殲撃15 J-15戦闘機
を
開発、配備
した。
1998年
から
人民解放軍海軍への配備
が
始まったのが
JH-7戦闘攻撃機
で、
C-801空対艦ミサイル2発搭載可能である。
殲撃8Ⅱ J-8Ⅱ戦闘機
は
自重14300kg、
推力は65,9kN×2
で
1990年
に
配備が始まった
戦闘機である。
天安門事件前の米中蜜月時代
に
「ピース・パール」計画
として、
グラマン、
リットン、
ウェスティングハウス・エレクトリック
などが
開発に関与している。
殲撃8Ⅱ J-8Ⅱ戦闘機
は
ロッキード・マーティンF-16A/Bファイティング・ファルコン戦闘機
が
搭載している
AN/APG-66レーダー、
慣性航法装置、
その他アヴィオニクス
など
アメリカ製を導入する予定
であったが、
天安門事件
によって頓挫している。
初飛行
は
1994年
と
新しいが、
ベースとなった殲撃8 J-8戦闘機
が
新しいものでないために運動性能は良いものではないと思われる。
殲撃8 J-8戦闘機
自重15000kg、
推力59,82kN×1
も
人民解放軍海軍
は
保有しているが
15機
しか保有しておらず、
今後の増備も少数にとどまると予想された。
殲撃8戦闘機のベースとなった
殲撃7 J-7戦闘機
原型ミコヤンMiG-21初飛行1956年
自重5275kg、
推力59,82kN×1
も
老朽化が進み、
100機程度まで保有数が低下している。
2000年代、
人民解放軍海軍
で
数的に主力となっているのは
ミコヤンMiG-19戦闘機/殲撃6 J-6戦闘機
で
320機保有
しているが、
あまりにも古く空戦では活躍できず、
対艦攻撃支援、
囮、
自爆用無人機化
などに限られるだろう。
また
ミコヤンMiG-19戦闘機/殲撃6 J-6戦闘機
を
改造した
強撃5 Q-5攻撃機
を
93機保有
している。
空戦ではなく対艦攻撃に重きを置いており、
ある程度の実用性は認められる。
爆撃機
は
イリューシンIl-28爆撃機
を
コピーした
轟5 H-5爆撃機
50機、
ツポレフTu-16爆撃機
を
コピーした
轟6 H-6爆撃機
51機
ある。
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