第1節 小泉純一郎政権「安全保障と防衛に関する懇談会」 9
また、「統合の推進」として
「統合運用に必要な中央組織を整備する。」
ことを提言した。
ミサイル防衛について
「法改正を含め必要な措置を講ずべきである。」
とし、
策源地への攻撃能力を持つことが適当か否かは、
「慎重に検討し」、
「総合的に判断すべきである。」
としている。
必要最小限の「基盤的防衛力」から、
あらゆる脅威に対応する「多機能弾力的防衛力」への変更を訴え、
テロへの対処を明言するなど新機軸を打ち出した提言であるが、
具体的な防衛力においては
削減ありきの結論
で、
新たなる危機にも古典的な紛争にも対応していない。
北朝鮮の核開発、ミサイル開発、特殊部隊・ゲリラの脅威、朝鮮労働党の工作員がクローズ・アップされた2000年代初頭。
1990年代から中国の軍拡、中国の脅威は明らかになっていた。
中国はロシアからスホーイSu-27戦闘機、スホーイSu-30戦闘爆撃機を輸入するとともに中国国内でライセンス生産も開始、MiG-19戦闘機、殲撃7戦闘機など第2世代戦闘機、殲撃8戦闘機、殲撃8Ⅱ戦闘機など第3世代戦闘機、スホーイSu-27戦闘機、スホーイSu-30戦闘爆撃機など第4世代戦闘機、戦闘機は3000機以上配備、爆撃機も140機保有、海軍力も大幅に増強していた。
ロシアの軍事力も復活した。
韓国はボーイングF-15K戦闘爆撃機とAGM-84H SLAM-ERスタンド・オフ陸上攻撃ミサイル(射程距離延伸型)を導入、さらに韓国国産巡航ミサイルを搭載する駆逐艦も大幅に増強するなど日本の脅威になっていた。
北朝鮮以外に
中国の軍拡、中国の脅威、
ロシアの軍事力復活、
韓国の大軍拡と攻勢
が明らかになって久しい2004年、
小泉純一郎政権の「安全保障と防衛に関する懇談会」
は
自衛隊装備の削減、
軍縮
を志向していた。
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