第9章 日本のテロ・ゲリラ・コマンド対処
第1節 インテリジェンス 1990年代 1
日本に対する直接、間接の侵略がおこなわれるとき、
特殊部隊、非正規部隊による陽動作戦、自衛隊、アメリカ軍基地に対する攻撃、
重要防護施設、社会基盤に対する攻撃、
要人、自衛隊幹部、警察・情報機関幹部の暗殺、拉致、
テロリズムによる心理戦などが予想される。
こうした危機に対処するには平時からの監視・情報調査活動、警備政策が必要である。
日本においてこうした活動をおこなっているのは、
警察庁警備局、
内閣情報調査室、
公安調査庁、
防衛庁情報本部、
三自衛隊幕僚監部
などである。
そのなかでも警察庁警備局は各省庁、各機関に人員を派遣し、情報収集につとめている。
内閣情報調査室の大半の人員、公安調査庁調査第一部長、防衛庁情報本部電波部長、内閣危機管理監、内閣安全保障・危機管理室長に人員を送り込んでおり、日本の防諜は実質的には警察庁警備局が握っている。
内閣情報調査室は
総務部、
国内一部、
国内二部、
国際部、
経済部、
資料部、
内閣情報集約センター、
内閣衛星情報センター
があった。
人員は80人から徐々に増員されている。
内閣調査官は15人で、警察庁から4人、外務省、財務省、経済産業省、厚生労働省、総務省から1人ずつ派遣されている。事務官も各省庁から派遣されており、警察庁から40人、公安調査庁から20人、防衛庁から10人、他の省庁から数人ずつ出向しており、内閣情報調査室プロパーは70人前後である。
公安調査庁は1500人で、
行政改革により1800人から300人削減された。
公安調査庁長官と次長は検察庁から派遣される検事で、
幹部には法務省の官僚も派遣される。
公安調査庁には
北海道公安調査局、
東北公安調査局、
関東公安調査局、
中部公安調査局、
近畿公安調査局、
中国公安調査局、
四国公安調査局、
九州公安調査局
と
公安調査事務所が14ある。
しかしかつて公安調査事務所は43あり、公安調査庁の調査力は行政改革と言う名で安全保障を軽視し減らされた。
公安調査庁長官の下には次長があり、
総務部には総務課、人事課、工作推進室がある。
総務部長は検事で、人事課長は公安調査庁第Ⅰ種国家公務員、工作推進室長は参事官である。
総務部には審理室(旧・法規課)、企画調整室、広報連絡室があり、審理室長は検事である。
調査第一部には
市民団体調査、選挙情報の調査、企画調整をおこなう第一課、
中核派、革労協の調査をおこなう第二課、
日本共産党の調査をおこなう第三部門、
右翼団体の調査をおこなう第四部門、
革マル派、共産主義者同盟諸派の調査をおこなう第5部門、
オウム真理教と後継団体の調査をおこなうオウム特別調査室がある。
調査第一部長は警察庁第Ⅰ種国家公務員で、調査第一部第一課長は検事である。
調査第二部には
企画調整、日本赤軍、よど号ハイジャック犯の追跡、国際テロリズムの調査をおこなう第一課、
外国情報機関との連絡調整をおこなう第二課、
朝鮮総連と北朝鮮の調査をおこなう第三部門、
中国、東南アジア、ロシア、欧米を幅広く調査する第四部門がある。
調査第二部長は公安調査庁第Ⅰ種国家公務員で、第二部第一課長は検事である。
海上保安庁長官は国土交通省の官僚で、主要ポストにも配置される。
防衛庁においては、防衛参事官をはじめとして主要ポストに警察庁、外務省、財務省、経済産業省、厚生労働省の官僚が派遣される。
いずれも、国防、治安、情報の中枢に安全保障・防衛・軍事の素人がおかれるという事態が長年続いてきたが、今後も当分かわりそうにない。
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