日本の国家安全保障90年代 20

陸上自衛隊 1995年 新・防衛計画の大綱における防衛体制2

 

 

 

 

 

 

北海道の部隊には、その地形特性を考慮して機械化が以前と同様に優先して進められ、

 

60式装甲車の更新、73式装甲車の後継として、イニシャル・コスト、ランニング・コストに優れる装輪(タイヤ式)の小松製作所96式装輪装甲車が配備されていった。

 

しかしながら、1輌あたり1億円以上と、GMカナダ製造の装輪装甲車LAVシリーズ原型LAVー25軽強襲車の価格の4倍以上と非常に高く、なかなか配備が進まない。

 

また、歩兵戦闘車である三菱重工業89式装甲戦闘車も年産数量程度の生産数にとどまり、価格も高騰し、配備が進んでいない。

 

 

1輌あたり10億円近くし、西側欧米諸国の主力戦車よりは割高だった90式戦車は量産が進み徐々に価格が下がり、配備は徐々に進む。

 

90式戦車の配備によって旧型の61式戦車を退役に追い込んだ。

 

90式戦車が北部方面隊に配備されると、北部方面隊で使用されていた第2世代戦車の74式戦車が中部方面隊、西部方面隊に配備されるようになった。

 

 

 

機動運用部隊である第7師団(1個機甲師団)、第1空挺団(1個空挺団)、第1ヘリコプター団(1個ヘリコプター団)は旧・防衛計画の大綱と同じく維持された。

 

第7師団の戦車連隊(第71戦車連隊、第72戦車連隊、第73戦車連隊)はすべて90式戦車化され、第11普通科連隊も機械化が完了した。

 

第1空挺団は1500名から300名から500人程度の増員が計画され、緊急展開部隊能力を有する第1空挺団が強化される。

 

第1ヘリコプター団もCH-47J/JAチヌーク輸送ヘリコプターで統一されており、輸送能力を高く保っている。

 

 

地対空誘導団部隊も旧・防衛計画の大綱と同じく8個高射特科群が維持されている。

 

装備も改ホーク地対空ミサイルの能力向上と、新中距離地対空誘導団(03式中距離地対空誘導団、新中SAM)の導入が少しずつ進められ、防空能力の向上が図られている。

 

 

戦車の保有数は旧・防衛計画の大綱に定められた1200両から25%減となる900両へ削減され、主要特科装備(火砲)も1000門/両から900両へと、10%削減されることとなった。

 

日本の財政制度、諸政策により大量生産が不可能で、価格を低減させることができず、装備の配備を進められない日本にとって、数量の削減は、質的な均質化を進めるという皮肉な結果を生んでいる。

 

 

 

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